こんばんは。
映画「バットマン ビギンズ」「ダークナイト」「ダークナイト ライジング」を観ました。
クリストファー・ノーラン監督の上記バットマン3部作は、「ダークナイト・トリロジー」と呼ばれています。
俗に言うアメコミ映画のひとつであるバットマン。
アメコミヒーローって、コミックからの根強いファンを抱えており、
映画も、そのファン向けになっているんじゃないかというイメージがありました。
あれだけの熱量を持ったファンがいる=「観れば面白そうだな」
と思いつつもなんとなくとっつきにくいと感じている人も多いハズ。
私もそのひとり。
視聴時点ではアメコミやバットマンについての知識はほぼゼロ。
その「ほぼ」も、アプリゲーム「パズドラ」とのコラボで
主要なキャラクター名を知ったくらいです。
しかし、トリロジー1作目「バットマン ビギンズ」を観終わった頃には、
事前知識は関係なく、その深い世界へと取り込まれました。
最早私はバットマン関連作品、ノーラン監督作品を漁る亡者。
カッコいいヒーローが悪を裁くだけではありませんよ。
観る順番
ちなみに「ダークナイト・トリロジー」を観る順番は以下の通り。
2,3とかじゃない映画ってちょっと分かりづらいですよね。
バットマン ビギンズ(2005年)
↓
ダークナイト(2008年)
↓
ダークナイト ライジング(2012年)
「ビギンズ」が最初なのはわかるし、
その後も「無印」→「ライジング」なのもわかるので、
覚えづらくはないですね。
感想 ネタバレ無し
バットマン ビギンズ
「ビギンズ」では、タイトル通り
バットマンがどのように生まれたか が描かれています。
一番おもしろいのは「ダークナイト」ですが、それも「ビギンズ」あってのこと。
後の作品に繋がるキャラクターはもちろん、バットマンが何のために戦うのか、
バットマンの正義が描かれる、ダークナイトへの助走的な役割の作品となっています。
とはいえ「我慢して観る映画」というわけではありませんよ。
- 主人公の苦悩と成長
- ヒロインとの恋
- 意外な悪役
という、むしろ最もスタンダードな面白さを持った映画です。
後の2つと比べて、単体でスッキリ終わって観やすい点も良いですね。
ダークナイト
2作目の「ダークナイト」のテーマは、
正義とは何か? という、バットマンの意義そのもの。
新たな敵によって、重厚なストーリーが徐々に描かれます。
これがとにかくおもしろい。「ビギンズ」を観た前提で、3部作で一番おもしろいです。
ひとつのテーマを、作中で様々な角度から考えさせられます。
あの有名な悪役「ジョーカー」が登場するのもこの作品です。
名前だけは知っていましたが、全編を通してバットマン以上の存在感を放っていて釘付けにされました。
ジョーカーを演じるヒース・レジャーは各所で称賛される通り、
その演技でジョーカーというキャラクターを現実に呼び起こしました。
しかし、「ダークナイト」の完成を待たずしてヒース・レジャーは亡くなりました。
死因は急性薬物中毒ですが、ジョーカーの役作りで精神を病んだとも噂されるほど。
不謹慎ながら、ヒース・レジャーの死によってノーラン版のジョーカーは伝説になったとも思えます。
映画史に残る程のS級映画「ダークナイト」。
アメコミ映画初心者でも、最悪興味がなくても、「ビギンズ」と合わせてここまでは観ておくべきです。
ダークナイト ライジング
「ライジング」は「ビギンズ」からの因縁となる敵キャラクターが登場して
バットマンの過去の因縁を精算する、3部作の最後に相応しい映画でした。
「ダークナイト」の最後から8年後が舞台の「ライジング」、
身も心もボロボロのバットマンはどんな戦いを見せてくれるのかが見どころ。
アン・ハサウェイやジョセフ・ゴードン=レヴィット、トム・ハーディが演じる新キャラも登場します。
私は「ライジング」まで100%楽しめましたが、実は「ライジングは蛇足では?」という評価も一定の割合であるようです。
「ライジング」がつまらないということでなく(もちろんそういう人もいますが)、
「ダークナイト」が良すぎたので、続く「ライジング」の期待が上がりすぎていたのだと思いますが。
もちろんバットマンの最後を見届ける意味で、観るのをオススメします。
伏線を綺麗に回収し、エンディング後の世界を想像させてくれるラストは必見です。
まとめ
日本人のイメージするヒーローとして根深いキャラクターがいます。
それは、「アンパンマン」「ウルトラマン」「仮面ライダー」「スーパー戦隊シリーズ」「プリキュア」です。
私が思うに、幼少期に誰もが通るキャラクターである彼ら彼女らの存在によって
「ヒーロー=卒業するもの」という図が出来上がり、
卒業せずそれを愛する人たちのオタク文化的な側面と合わさることで
無意識に「ヒーロー=子どもとオタクのもの」という偏見を持たれている気がします。
というか最近まで私が持っていました。
それだけでヒーロー映画、そしてダークナイトを観ないのはもったいなさすぎる。
象徴となるキャラクターを用いることで、
正義とは何か?という物語がより重厚に描かれます。
アメコミ初心者、単なる映画好きはもちろん、
ヒーローを卒業したすべての人にオススメの映画でした。
タイトルの意味を考える
作中でのバットマン誕生としてのビギンズ、
トリロジー全体のビギンズ。
ここからすべてが始まります。
「ダークナイト」はタイトルで意味がかけられていますね。
まずこのタイトルを観て、自然と
ダークナイト=バットマン と繋がるのではないでしょうか。
序盤で、ハービー・デントは「光の騎士(ライトナイト)」というあだ名で呼ばれています。
これは、もちろんダークナイト(=バットマン)の対比として描かれているのですが、
後半でハービーが怪人・トゥーフェイスとなったとき、
作中の表現では「光が闇に落ちる」ことで、
ハービー・デント=ダークナイト? という意外な展開。
そしてラストシーンではハービーが死に、彼の罪をバットマンが被ることに。
これによって、ダークナイトの称号は、
タイトルを観たときのようななんとなくではなく、
重すぎる意味を持ってバットマンに冠されることになります。
タイトルだけでも二転三転させられます。
「ライジング」は原題では「The Dark Knight Rises」。
Riseは登る、立ち上がる、復活するのような意味で使われていると思います。
「ライジング」冒頭では、8年の引きこもりと怪我で歩くこともままならなかったウェイン。
そこからまたバットマンとして復活します。
中盤、ウェインは奈落に落とされますが、
獄中で再び立ち上がり、壁を登ります。
そしてRiseは、1作目とも繋がります。
「人はなぜ落ちる? 這い上がるためだ」
ノーラン監督、素晴らしい。
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