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映画【累 -かさね-】ネタバレ無し感想 マンガの実写作品として大成功、1人2役×2人の怪演

累の写真

こんばんは。
映画「累 -かさね-」を観ました。


本作のダブル主演は土屋太鳳さんと芳根京子さん。
ともにNHK朝の連続テレビ小説の主演女優(土屋太鳳さんは「まれ(2015)」、芳根京子さんは「べっぴんさん(2016)」)を努めたふたりですが、朝ドラの爽やかなイメージとは180度違ったテーマで物語が展開されます。
制作段階でも、このふたりのキャスティングが大きな話題になっていましたね。

マンガの実写化は、原作ファンのハードルが高く、厳しい評価を受けることが多いですが、映画「累 -かさね-」は大成功の部類だと思います。
私も原作マンガから読んでいますが、素晴らしい出来でした。

まだ観ていない方も多いと思いますので、まずはぜひ観てほしいということでネタバレ無しであらすじ・キャスト・感想を紹介します。

予告/あらすじ/キャスト

予告編動画


あらすじ

伝説の女優・淵透世(ふち-すけよ)を母に持つ少女・累(かさね)は、母親ゆずりの天才的な演技力を持って生まれながらも、容姿は母に似ず、顔の大きな傷にも強いコンプレックスを持って生きてきた。そんな彼女に母が遺した一本の口紅。その口紅は、キスした相手の”顔”を奪い取ることができる不思議な力を秘めていた――。一方、美貌を持ちながらも、決して他人には言えない理由により花開かずにいる舞台女優・ニナ。彼女は、女優として大成することに異常な執念を募らせながら日々を過ごしていた。ある日、累は母・透世に世話になっていたという男・羽生田を通じて、ニナと出会う。

キャスト

  • 累 - 芳根京子
  • ニナ - 土屋太鳳

上のように書いていますが、実際には顔が入れ替わり、土屋太鳳さんが「ニナの顔の累」、芳根京子さんは「累の顔のニナ」を演じているので実質1人2役になっていますね。

予想以上だったのが、土屋太鳳さんの演技力。
「演技が上手い」という設定の累を演じるわけですからかなりハードルが高いですが、その設定に説得力がありました。

一方で芳根京子さんも累を演じるときの鬱屈とした雰囲気、ニナを演じるときの高慢でスレた表情と、”どっちが入っているか”が見て一発でわかるようになっていてすごいです。

感想

マンガの実写化としてかなりの完成度

comicの写真

最初にも書きましたが、マンガの実写化としてはかなりの大成功だと思います。

そもそもドラゴンボールのような作品を実写化するのとは違って、実写にしても違和感のない登場人物で、かつ日本人で、その上で人間の美醜という派手でないテーマ(映像として)というのがかなり大きいです。
ドラマ化でじっくりやってもおもしろかったかなと思いますが、顔が変わるCGの手間とお金的には映画でちょうど良かったということなのかも知れません。


また、本編112分での収まりも良かったです。
映画内で扱われるエピソードは原作だと前半半分くらいまでになっているわけですが、原作マンガ「累」がどういう話でどういう雰囲気なのかがわかりやすく映像化されていて良い出来です。
もしかしたら続編も作られるかも知れませんね。


原作ファンはもちろん、原作マンガを読んだことがない人でも世界観を楽しめる映画になっています。
その点が不安な方も、マンガ・映画どちらから入っても大丈夫だと言っておきます。

ニナを通してわかる累への恐怖

怖い写真

主人公は累ですが、中盤からニナの視点に寄って展開される場面があります。
ニナ視点から見た累(と口紅)への恐怖を、映画を観る側も体感できるメッチャ怖いシーンになっています。

具体的には、

「ニナの顔をした累」が、ニナの母親と親子として接しているというシーン。
そして「ニナは累の顔」なので、自分の母親から「いつも娘がお世話になっています」と挨拶されてしまう。

舞台での成功、恋する相手、そして家族までも

累に奪われかけていることを改めて見せつけられ、ニナは恐怖と絶望を味わうことになるのですが、このシーンこそニナ編の見どころになってます。

そこまで主人公として描かれ、観る側の視点も累に寄っているのですが、このシーンをきっかけにニナにも感情移入してしまう。
ただ、その「感情移入」も人間としては”外見”に引っ張られ、土屋太鳳さんを応援しているのか芳根京子さんを応援しているのか振り回されてしまう。
かなり見応えがありました。

土屋太鳳さんも芳根京子さんも、”どっちのときも”最高の演技でした。

「顔入れ替わり」による三角関係がおもしろい

鏡の写真

本編の重要な要素のひとつでもある、横山裕さん演じる天才演出家・烏合さんをめぐる累とニナの戦い。これがまた楽しいです。

烏合は「ニナの顔の累」の演技からニナを意識し始めます。
累はニナの外見を利用して距離を縮め、ニナは累が縮めた距離を自分のものとして横からさらう。

さらに烏合が”中身”に違和感を覚え始めたことによって、累は「ニナの外見」、ニナは「累の演技力」がどうしても必要になり、三角関係どころか三竦みのような状態になって…。

外見だけで言えば当然ニナが選ばれるところですが、美醜だけでは測れないのが人間的な魅力。
このブログでは恋愛に外見の話が絡むと「美女と野獣」を引き合いに出すのがお決まりですが、要はそういう普遍的かつ根深いテーマでもあります。
美女と野獣2017の写真映画感想【美女と野獣(2017実写)】 吹替でなく字幕でエマ・ワトソンの歌を聴くべき とはいえ「累 -かさね-」では、恋愛に限らず外見の美醜によるいじめ、社会的成功など少し広いテーマで語られ、考えさせられる内容にもなっています。

まとめ

まとめます。

  • 実写化は大成功。マンガを読んでなくても楽しめる。
  • 主人公である累への恐怖も感じる。演出が良い。
  • 外見の美醜という根深いテーマを微SFで掘り下げる。

以上です。

何回も書いてますが、期待以上に実写化が成功してます。素晴らしい。
舞台演劇をはさみつつ、基本的には会話劇のような展開なので腰を据えて観ましょう。おすすめの映画です。

続編にも期待。

累 -かさね-が好きな人におすすめの映画

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